解説・注意事項
1.加工条件による油剤の選定方法
2.使用方法
●水溶性油剤の使用液の作り方
- タンク内の切屑・砥粒・スラッジ・油分などの異物を除き、適切な洗浄剤・殺菌剤(または防腐剤)を用いて工作機械・循環系統・タンク内を殺菌洗浄し、生息する微生物を完全に死滅させます。
- タンク内に所定量の水(水道水または軟水)を張り込み、十分に撹拌しながら原液を徐々に投入し、目的の濃度に調整します。
●新液の補充と濃度管理
使用液の濃度が低下すると、切削・研削性の低下をはじめ、防錆性の低下により材料・機械に錆を生じさせる場合がありますので、濃度管理を正しく行ってください。
濃度管理には「糖度計」が便利です。また、液寿命を延長させるために、補充はあらかじめ一定濃度に希釈した液を用いてください。
●使用液のろ過
使用液のろ過により、製品の品質向上や工具寿命の延長、油剤の節約といったメリットが大きいことが認められ、各種ろ過機を採用する工場が増えています。
ろ過機は使用目的によって適切な性能のものを選ぶことが経済的です。
また、切屑を遠心分離機にかけると、8~20%の油剤が再使用でき、消費量の節約に役立ちます。
ホーニング・研削作業など精度を要求される作業には、とくに精密ろ過が必要です。
ろ過の効用
- 1.工具寿命の延長、仕上げ精度の向上
- 2.稼働時間の増加、生産性の向上
- 3.腐敗防止と使用時間の延長
- 4.油剤使用量の節減
- 5.環境衛生、公害対策の解決
- 6.廃棄処理性の改善
3.保管及び使用中の管理について
温度、湿度その他混合物によって変質と劣化が起こるので、十分な管理が必要です。
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保管は温度変化の少ない屋内で、直接日光や熱が当たらないように注意し、4~40℃の範囲で貯蔵する。
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使用中、水・ゴミ・他の油剤が混入しないように注意する。
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油剤の引火点に応じて火気に十分注意する。
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水溶性油剤は組成上、外気温度に影響を受けやすいため、3ヶ月以上の長期保存は避ける。
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容器は使用後カバーすることが望ましい。
4.廃棄
廃液は分別して処分する。(油性・水溶性・塩素系を混合しないで下さい。)使用後は公害問題の解消のため、公害基本法に基づく法令、規則(例えば水質汚濁防止法、大気汚染防止法、下水道法、公害対策基本法、廃棄物処理及び清掃法など)を十分考慮し注意して処分してください。