解説・注意事項
1.使用温度によるグリース選定の基準
トラブルの状態 | 考える点 | 対策・お奨めするグリース |
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荷重のかかる潤滑箇所の焼付きや摩耗が多い。 | 極圧グリースを使っていますか。 | 極圧性の優れたニグタイトLE、LM、ニグルーブEP-2Kをご使用下さい。 |
振動や衝撃荷重が大きく、グリースが漏れやすい構造になっていませんか。 | ||
高温で
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固形物の原因は何か。 | 非石けん基系のニグルーブHT、KCグリースをご使用下さい。 |
高温にさらされて漏れやすいグリースを使っていませんか。 | ||
グリースが長持ちせず、焼付きが起こる。 | カルシウムグリースや、ナトリウムグリースのような並級品を使っていませんか。 | ニグルーブMP-DXのようなリチウムグリース、ニグエースUのようなウレアグリースをご使用下さい。 |
基油粘度の低いグリースを使っていませんか。 | ||
ホイールベアリングのグリースが漏れやすい。 | 漏れやすいグリースを使っていませんか。 | ホイールベアリング専用のニグルーブMP-DX、BDXをご使用下さい。 |
ギヤオイルの混入がありませんか。 | ||
配管や分配弁がつまる。(集中給油の場合) | 油分離の多いグリースを使っていませんか。 | 配管抵抗の少ない、圧送性の良いサンルーブオートSをご使用下さい。 |
ごみの混入はありませんか。 | ||
接続部、配管に油にじみがありませんか。 | ||
グリースの給脂がスムーズですか。 | ||
低温始動性が悪い。 | 一般のころがり軸受用グリースを使っていませんか。 | 低温特性の優れたニグタイトLTSをご使用下さい。 |
注)グリースの詰め過ぎはトラブルの原因になりやすいのでご注意下さい。
使用温度によるグリース選定の基準
2.グリースのできるまで
3.グリースの種類
グリースは、一般に増ちょう剤(おもに金属石けん)の種類によって分類されます。
その主な種類と一般的な特徴を示すと下表の通りです。
グリースの種類 | カルシウム 石けん基 グリース |
リチウム 石けん基 グリース |
ウレア グリース |
その他の非石けん基グリース | |
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鉱油 | 合成油 | ||||
通称名 | カップ グリース |
リチウム グリース |
ウレア グリース |
- | - |
外 観 | 半固体 | 半固体 | 半固体 | 半固体 | 半固体 |
滴点(℃) | 90 | ~190 | 200以上 | - | 200以上 |
耐水性 | 良好 | 良好 | 良好 | 良好 | 良好 |
耐熱性 | 不適 | 優秀 | 優秀 | 特に優秀 | 特に優秀 |
機械的安定性 | 良好 | 良好 | 良好 | 良好 | 良好 |
主な用途 | 一般平軸受、 水ポンプ軸受 (水と接するようなところ) |
万能型、 ころがり軸受、 平軸受 |
万能型、 ころがり軸受、 平軸受 |
万能型、 ころがり軸受 (高温用) |
ころがり軸受、 高温 |
代表的弊社 グリース名 |
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4.グリースの一般的な選択一覧
グリース | 増ちょう剤の種類 | 基油の粘度 | ちょう度 | ||||||||||
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潤滑箇所 | Ca | Na | Li | 非石けん | 高 | 中 | 低 | 硬 | 中 | 軟 | |||
ベントン | ウレア | ||||||||||||
軸受 | すべり | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
ころがり | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||
温度 | 高 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
中 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
低 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
運転条件 | 回転数 (dn値) |
大 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
小 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
荷重 | 大 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
小 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
潤滑方法 | カップ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
プレッシャーガン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
集中給油 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
5.グリースのちょう度の測り方
グリースのちょう度の測定方法は、JIS規格 K2220-7.5 により円すい(質量102.5±0.05g)を保持具(質量47.5±0.05g)と共に 試料中に垂直に5.0±0.1秒間進入させた後、針入深さを10倍します。
6.グリースのちょう度と状態
グリースのちょう度は一般に NLGIちょう度で表わされます。JIS規格 もこれに準拠しています。
NLGI No. | 混和ちょう度 | 状態 |
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000 | 445 ~ 475 | 流動状 |
00 | 400 ~ 430 | 〃 |
0 | 355 ~ 385 | 軟らかい |
1 | 310 ~ 340 | やや軟らかい |
2 | 265 ~ 295 | 普通 |
3 | 220 ~ 250 | やや硬い |
4 | 175 ~ 205 | 硬い |
5 | 130 ~ 160 | 非常に硬い |
6 | 85 ~ 115 | 〃 |